【5/17は世界高血圧デー】 高血圧未受診者に対する意識調査

【5/17は世界高血圧デー】

高血圧未受診者に対する意識調査

生活習慣の改善が難しい理由 第1位は「継続の難しさ」



株式会社CureApp (本社:東京都中央区 代表取締役社長:佐竹 晃太)は、5月17日(火)の世界高血圧デーに先駆けて、健康診断や医療機関での診察で血圧が高いことを指摘されたことがあり、治療のため通院したことがない30代〜60代の男女821人に対し、高血圧治療や生活習慣に関する実態調査を実施しました。


調査の結果、高血圧が命に関わる病気だという認識を持っている人がおよそ7割に上りました。一方で、医療機関を受診しない理由は「重大な疾患ではないから」が最も多い結果となり、高血圧疾患に対する一般知識は持っていながらも自分事にはなりづらいというギャップが明らかになりました。

また、高血圧症の治療には生活習慣の改善が不可欠です。医療機関へ受診しない理由第2位が「生活習慣の改善で対応できるから」という結果から、生活習慣の改善で血圧を下げたいと思っている方も多いように見受けられます。その反面、全体の50.7%の人が生活習慣の改善に対する難しさを感じていることも分かりました。

その理由として「継続の難しさ」「結果の見えづらさ」という回答が上位を占めており、生活習慣の改善を継続的に行うことに対して課題が生じていることが分かりました。高血圧未受診者に対し、自分でどうにかしようとせずにまずは医療機関に相談することを促したり、何らかのサポートを行うことが必要であると考えられます。

今回の調査結果を受けて、日本高血圧学会の高血圧専門医である土橋卓也先生は次のように述べています。「多くの方は、高血圧を放置することのリスクを認識しているものの、自覚症状に乏しく、家庭で測定する血圧も日々変動することから、受診をためらい、生活習慣の改善で下げたいと考えている状況が窺えます。しかし、高血圧と正しく診断し、降圧薬服用の可否や生活習慣の改善について適切な指導を受けるためには、医療機関の受診が必要です。」

調査結果要約

  • 血圧が高いと指摘されながら、医療機関へ受診していない理由の第1位は「それほど重篤な疾患・症状ではないから(50.4%)」次いで「生活習慣の改善をして対応できるから(32.6%)」
  • 高血圧を放置すると命に関わる病気を引き起こす」と認識している人は69.2%
  • 血圧値を下げる為に自分自身で生活習慣を改善することが難しいと感じている人は50.7%。その理由として一番多かった回答は「継続が難しい(55.5%)」次いで「結果が見えづらい(41.8%)」


調査結果の詳細


①血圧が高いと認識しながら、医療機関を受診していない理由の第1位は「それほど重篤な疾患・症状ではないから(50.4%)」

血圧が高いと認識していても医療機関へ行っていない理由は「それほど重篤な疾患・症状ではないから」が50.4%と、最も多い結果となりました。次いで「生活習慣の改善(食事・運動)をして対応できるから(32.6%)」「自覚症状がないから(29.5%)」と続きました。


②生活習慣病や高血圧症に関する一般知識を半数以上の人が持っている

生活習慣病や高血圧症に関しての知識を調査したところ、「生活習慣病は、食事、運動不足、飲酒、喫煙、不規則な生活など、(子供のころからの)生活習慣が要因となる(69.9%)」「高血圧を放置すると命に関わる病気を引き起こす(69.2%)」が上位を占めております。その他の項目も半数以上の人が知っていると回答し、生活習慣病や高血圧症のリスクを認識している人は多いということが分かりました。


③自力での生活習慣の改善が難しいと感じている人の割合は50.7%、その理由の第1位は「継続ができない」

自力で生活習慣を改善することについて、「非常に難しい」「難しい」と回答した人は合わせて50.7%となり、「難しくない」「 全く難しくない」を合わせた16%と比較すると3倍以上と大きな差があります。また、「非常に難しい」「難しい」と回答した人に対して理由を聞くと、「継続が難しい・ずっと続けることができない(55.5%)」が最も多く、「結果が見えづらい・努力している割に結果が良くならない(41.8%)」「食事の管理や継続的な運動など、無理はしたくない(35.8%)」と続きました。生活習慣を改善するためには日々の積み重ねが重要です。継続するためには何らかのフォローやサポートが必要ではないかということが考えられます。




社会医療法人 製鉄記念八幡病院 理事長 土橋卓也先生からのコメント




降圧薬服用の有無に関わらず、減塩などの食事、習慣的運動、肥満の是正、飲酒制限など生活習慣の改善は血圧管理に重要です。これらの効果は、日々変動する血圧では、見えにくいものですが、1週間単位や1か月単位で評価すると見えてくるようになります。継続が難しい食事や運動など生活習慣改善の維持をサポートするプログラムを利用し、家庭血圧の改善が少しずつ見えてくることによってモチベーションが維持され、良好な血圧管理につながることが期待されます。高血圧は一人で戦うのではなく、医師、管理栄養士などの医療スタッフ、そして家族の支援を受けながら、上手に付き合っていきたいものです。

土橋卓也先生

社会医療法人 製鉄記念八幡病院 理事長
日本高血圧学会専門医
2014年1月に製鉄記念八幡病院の副院長として着任し、高血圧センターを開設。2015年4月より製鉄記念八幡病院の理事長/病院長、2021年4月より理事長専従となる。日本高血圧学会の理事としてガイドライン作成に係わるなど、第一線で活躍中。また、高血圧に対する正しい評価、診断と治療を行う専門的知識と技術を有する医師として、日本高血圧学会の高血圧専門医の認定を受けた。

調査の背景

リスク要因別の関連死亡者数を見ると、高血圧は喫煙に次いで2番目であり*1、死亡リスクに関わる重要な疾患です。また、日本の高血圧患者数はおよそ4300万人といわれています。そのうち約43%の人が医療機関を受診しておらず、さらに11%の人が高血圧と認識をしているにも関わらず未受診であるのが現状課題です*2。未受診の方が多い実態、および血圧を下げるために前提とされている生活習慣の修正をどのようにサポートしていくべきかを知るために、高血圧未受診者に焦点を当て、高血圧治療や生活習慣に関するアンケート調査を実施しました。


*1:平成30年版厚生労働白書(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/18/dl/2-08.pdf

*2:高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)

https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf