来たる“心不全パンデミック”を抑えたい。ユーザー目線を大切にUIデザイナーとして挑む、治療アプリ®︎開発

 



日本で1年に1万人ずつ増え続けている心不全。2030年には130万人にものぼり、疾患を診ることのできる医療機関が足りなくなる事態も懸念されています。

CureAppでは、この危機に対する打ち手にもなる、慢性心不全の患者さんの体調を管理し適切なリハビリを促す治療アプリ®︎を開発中です。

そのアプリのUIデザインを担当するのが山田です。ユーザーのニーズを色濃く反映することができるUIデザインに魅了されてきた山田。彼女がこだわるのは、患者さんの気持ちや日常生活に深く想像力を働かせたデザインです。日常生活の中で、毎日負担なく使い続けていただくために、ベストなUIデザインを目指して奮闘中です。

そんな山田に、仕事のやりがいなどについて聞いてみました。




山田 五百女(やまだ いほな)/慢性心不全向け治療アプリ®︎の開発

経歴
大学のデザイン学部卒業後、独学でUIデザインを学ぶ。HRテック企業でUIデザイナーとして働いた後、2021年9月にCureAppに入社。慢性心不全向け治療アプリ®︎の開発にデザイナーとして携わる。

 

 



ユーザーを大切にするUIデザインと出会って


――CureAppに入社するまでの、ご経歴について教えてください。

 

子どもの頃は、絵を描いたり工作するのが好きでした。

高校生のときに、文房具売場で小さな子どもが「これかわいいから買って!」と、すごい勢いでねだってるのを見たことがありました。文房具のデザインに強く引かれる様子を見て、私もデザインなどで人の心を動かすことができたらいいなと考えるようになりました。それがきっかけで、大学はデザイン学部に進むことにしました。

大学では、消費者向けのポスターを作る機会がありました。その経験から消費者の気持ちに寄り添い、根拠ありきでデザインをすることのおもしろさに気づきました。

ひとえにデザインといっても様々なデザインがあります。私の場合は、友人にたまたま声をかけてもらい行った会社説明会で、UIデザインに出会いました。その時、「私が本当にやりたかったことはこれだ!」と稲妻に打たれたように感じたのです。アプリの操作画面などをデザインするUIデザインは、一般のプロダクトデザインよりも、よりユーザーが求めていることを強く反映するデザインです。


大学卒業後は、独学でUIデザインを勉強し、HRテックを扱うスタートアップ企業にUIデザイナーとして採用され経験を積みました。

 


――CureAppに入社したきっかけについて教えてください。


転職を強く意識したのが、ちょうど新型コロナウイルスが流行りだした頃でした。医療従事者の方々の活躍を見るにつけ、医療はどんな人にも必要な社会の基盤だと強く意識するようになりました。

遠隔治療などもホットになりつつある中で、アプリで治療するというCureAppのミッションは最先端だと感じました。日本では、誰もやったことがない分野なので、未開の地を開拓して行くことになりますし、働いていて楽しそうだなと思ったんです。

 

医療分野の会社だからといって、気負う必要はなかった




――実際に、入社してみて感じたことはありますか。


今は新規事業のチームで働いていますが、メンバー全員がユーザーを主語にした会話をしています。エンジニアも専門知識を活かしながら、ユーザー目線で考えてくれることに日々感動しています。「ユーザー目線」は私がデザインで常に目指していることでもあるので、このチームに入れて気持ちよく働けていますね。

職種関係なく、チームメンバーは誰もが最短で辿り着ける最善の機能を追求しているので、一緒に仕事をしていてすごく納得感があるんです。

入社する前は、CureAppは医療関係の会社ということもあって、もしかして固い会社なのかな?と思ったこともありました。でも実際に入社してみて、それは全くの思い込みだったとわかりました。

確かに専門的な知識が必要な場面は多いですが、社内には医師をはじめ医療分野のエキスパートも多くいるので、そういった方々に気軽に質問できる雰囲気があります。みんな気さくな方ばかりで話しかけやすいですし、そんなに気負う必要はなかったなと実感しています。

また週一くらいで、専門的な内容についての研修も開かれています。何か知りたいことがあれば、いつでも知識豊富な社員に頼ることができる環境で安心感があります。


――現在のお仕事について教えていただけますか。


慢性心不全の患者さんが、在宅でケアを受けられる治療アプリ®︎を開発中です。

立ち上げ当初は小規模なメンバーで進めていましたが、今はエンジニアの数も増え、薬事の専門家にもチームに入ってもらい、臨床試験に向けて開発を進めています。

慢性心不全は、高齢の方に多く発症し、心臓の働きが常に悪い状態になってしまう疾患です。心臓がドキドキしたり、ちょっとした買い物や孫と遊ぶなど、本来であれば問題なく出来ていたことが、疾患によってできなくなるということが起こってしまいます。

そこで、このアプリでは患者さんの血圧や脈拍の数値など、日々の体調を管理し、運動療法を身体の状態を見ながら実施できるようにします。

疾患があっても、やりたいことをできるだけ諦めないですむように。そして自分らしい人生を選ぶことをサポートできればと、日々奮闘中です。




来たる心不全パンデミックを抑えたい


――やりがいや難しさは、どんなときに感じますか?


日本での心不全疾患の患者さんは毎年1万人ずつ増えて、2030年には130万人に達すると言われています。

今後、高齢化が加速するにつれ、疾患を診ることのできる専門的な医療機関が足りなくなる“心不全パンデミック”も懸念されています。そうなる前に、現在開発中の治療アプリ®︎を、治療法の1つとして少しでも役立てることができればと考えています。このような社会的意義が、大きなやりがいにつながってると感じています。

また、医療機関の療法士さんや患者さんが、「こういうものがほしかった!」と言ってくださることも大きいです。

患者さんの多くは高齢者ということで通院そのものが大きな負担です。付き添いのご家族の負担が増えているという実態もあります。また訪問看護には、時間的な制約もあります。「治療アプリ®︎」があれば、通院の時間を減らし、かつ家でも適切なリハビリができるようになるはずです。また医師からも、診療時に在宅時の健康状態を客観的に把握することができると好評です。現場の医療者や患者さんやその家族が治療アプリ®︎に価値を感じていただけることも、大きなやりがいにつながっています。

やや難しいなと思う点は、ユーザーの多くが70歳代で、比較的高齢な方が多いことです。スマートフォンに慣れていない方が多く、視力の低下や老眼などもあるので、わかりやすい画面づくりが必要になります。例えば、ボタンを確実に押せるように大きめにするなど、アクセシビリティガイドラインにも目を通しつつ、日々試行錯誤を続けています。

患者さんの日常のライフスタイルを邪魔することなく、この治療アプリ®︎を使うことで良い意味で日常が変わったと感じてもらえる体験を設計することも心がけています。やはり毎日使い続けていただくことが重要なアプリなので、ベストなUIを追求しています。


個性豊かなメンバーが揃う、心強いチーム



――デザイナーチームについてはいかがですか?


私がCureAppに入ろうと思ったきっかけの1つが、デザイナーチームの和気あいあいとした雰囲気でした。実際に入ってみて、ビジネスとして大切なところは押さえつつも、気軽に相談しやすい関係が築けるチームだと思っています。毎朝15分、オンラインで簡単な朝会があり、質問があればそこでサポートし合うことができます。少し長引いても問題ない時間設定なので、全員でしっかり議論する時間が持てていますし、仕事をする上での大きな安心感につながっています。

メンバーもそれぞれ個性的です。現役の精神科医の方もいますし、イラストがすごく得意な方や、コードも書けるしマーケもできるという方もいます。元プロミュージシャンの方もいて、その方は映像制作が得意なんです。それぞれの得意分野が分かれているので、どんな相談であっても大抵は解決するのは心強いです。


――今後の目標について教えてください。


やはり、慢性心不全の治療アプリ®︎の成功ですね。プロダクトをリリースすることで、来たる心不全パンデミックを抑えることに貢献したいですし、患者さんや、今、賢明に介護やサポートをしている家族の方を支えられる未来を目指したいです。


個人的には、今後もユーザー目線を大切にしながら、自分のデザイナーとしての強みを伸ばして飛躍していきたいと思っています。


――今後どのようなかたと一緒に働きたいですか。


CureAppでは、日々たくさんの勉強会が開催されていますが、研修を聞けば100%わかるということはありません。担当するプロダクトの実態を把握して、自分から情報や知識を取りに学びにいく姿勢を持つことが、何より大切ではないかと思います。

また、デザインの勉強だけではなくて、患者さんはこういうときどう思うのだろう?という想像力の部分も大事です。新しい情報が入ってきた時に、それを自分なりに咀嚼した上で、方向性を考え直す事も含めて学んでいく姿勢を持ちたいと、私自身も考えています。

そういう姿勢をかかさない方が、CureAppにはフィットしていると思います。



(取材ライティング/柳澤聖子)

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