高血圧対策に重要な生活習慣の修正こそ、梅雨だる対策!
高血圧対策に重要な生活習慣の修正こそ、梅雨だる対策!
梅雨を楽しく快適に過ごすため“梅雨だる”回避の秘訣となる生活習慣をご紹介
梅の実が熟す6月頃になると、日本列島は(北海道と小笠原諸島を除いて)梅雨と呼ばれる雨季を迎えます。
最近はジメジメした日が続きますが、関東では梅雨入りは例年より少し遅くなりそうです。
この時期は、なんとなく気持ちが沈みやすい、体調が優れない、血圧が安定しないといった症状が現れやすくなる頃。
雨模様やジメジメ感だけでも不快な気持ちになりますが、この時期の不調には原因があります。
その原因を理解し対策を講じれば、これから来る梅雨も楽しく過ごすことが可能です。
今回は、実は高血圧対策にもなる梅雨だる対策の方法について詳しく説明します。
天気は体調に悪影響を及ぼすのか?
四季のある日本では、季節の変わり目は体調を崩しやすいものですが、気圧、温度、湿度、日照時間、降水量、雷、風・・・といった気象要素から悪影響を受けるものを気象病と呼びます*¹。様々な気象要素の中でも、気圧の変化は、内耳の気圧感受センサーに影響を及ぼし、自律神経のバランスを乱す原因となります。自律神経の乱れは、頭痛や倦怠感、不眠、不整脈、血圧が上昇するなど、様々な身体的不調をもたらすと言われています。
*¹https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/29/2/29_153/_pdf
日本では梅雨に起きやすい=梅雨だる
この時期から夏にかけては、気温と湿度が上昇しジメジメとした不快な感覚が増大してくる頃*²。これに加え、日照時間も少なくなります*³。この梅雨の時期に起こる気象病は「梅雨だる」と呼ばれます。頭痛、むくみ、倦怠感、気分の落ち込みなどの症状が起きやすく、そのほか様々な心身の不調をもたらします。
梅雨だるの原因
・気圧の変化による自律神経の乱れ
自律神経の乱れによって、副交感神経優位になると、身体がお休みモードになることで倦怠感や眠気を引き起こします。一方、交感神経優位になると、血管が収縮して血流が悪くなることで、肩こりや頭痛のほか、心拍数や血圧の上昇といった症状が現れることも。
・気温の急激な変化
気温の変化に対応しようと、身体がエネルギーを浪費し、自律神経の乱れの原因となります。季節の変わり目の不調の原因の一つです。
・日照時間不足
幸せホルモンといわれる脳内伝達物質で精神を安定させる働きをする、セロトニンの分泌量が減少します。また、日光を浴びることで体内で生成されるビタミンDも不足しがちに。
・湿度の高さ
湿度が高いと汗が蒸発しづらくなり、体温調節がうまくいかず、体に負担がかかりやすくなります*⁴。特に、6月から9月にかけては湿度が高い日が続きます*⁵。
梅雨を元気に乗り切るためにも生活習慣の改善を!
- 朝起きたらカーテンを開け、太陽の明るさを全身で感じましょう。晴れていなくても明るさは感じられるものです。
- 軽い運動をしましょう。
- お風呂は温めのお湯にしっかり浸かりリラックスしましょう。
- 睡眠を十分に取りましょう。良質な睡眠のために睡眠前はスマホの画面を見るのを控えましょう。
-1日3回食事をとるようにしましょう。
-夏野菜を摂取しましょう。体内の水分量をコントロールするカリウムを摂取することで、余分な水分を塩分と一緒に排出しやすくします。これから旬の夏野菜にはカリウムが豊富なものが多いので是非積極的に摂ってみてください。
-塩分や脂質を控えるようにし、アルコールは適正量を守りましょう。
【監修医師】
有馬 久富(ありま ひさとみ)先生
シドニー大学ジョージ国際保健研究所客員研究員、九州大学環境医学分野助教を経て、2008年より再びシドニー大学ジョージ国際保健研究所で講師として2年間、准教授として3年間大規模臨床試験に従事。
2014年より2年間、滋賀医科大学アジア疫学研究センターで特任教授として疫学研究に従事後、2016年4月より現職。専門分野は、高血圧・脳卒中の疫学および臨床研究。