挑戦が結んだ絆:サステナチームが紡ぐインパクトレポート作成までの1年の軌跡
挑戦が結んだ絆
サステナチームが紡ぐインパクトレポート作成までの1年の軌跡
CureApp初のインパクトレポート作成を支えたサステナビリティ推進チーム
CureAppのサステナビリティ推進チーム(以下、サステナチーム)は、コーポレート統括取締役を筆頭に、経営企画部、人事業務部、信頼性保証部、広報PR部のメンバーで構成され、当社のサステナビリティに関連する取り組みを推進しています。このたび、サステナチームが中心となり作成したCureApp初のインパクトレポートが公開されました。>>インパクトレポートはこちら
約1年間にわたるレポート作成の過程は、ゼロから形を作り上げる挑戦そのものでした。明確なゴール像がなかなか掴みづらい中、進行の過程で壁にぶつかり、心が折れそうになる瞬間もありました。それでもチーム全員が協力し、困難を乗り越え、レポート完成まで歩み続けられた理由は何だったのでしょうか。
このレポートは、「ソフトウェアで『治療』を再創造する」というCureAppの挑戦を凝縮したものです。社会にどんなインパクトを与え、そして未来に向けてどんな価値を提供していくのか。その一端をお届けする一冊です。
また、このインパクトレポート作成プロジェクトを通じて得られたのは、レポートというアウトプットだけではありませんでした。1年を振り返りながら、プロジェクトを支えたメンバーたちの声をご紹介します。
サステナビリティ推進チームメンバー
写真左より三島、向門、黒木、田中、西岡、久納
久納裕治 (コーポレート統括取締役 /CFO)
資金調達、経理、FP&A、HR、法務といったコーポレート機能を所管役員として統括。サステナビリティ・IMM周りの活動も所管し、本レポートについては全体の確認、最終チェック(実質はみんなの頑張りに感嘆、感謝する係)を担当。
西岡勇太 (経営企画部)
資金調達・IPOプロジェクトとサステナビリティ・IMMプロジェクトのリーダーを務める。IPO準備や資金調達、中計・予算の策定・管理等を行う。
本レポートでは全体のプロジェクト管理とインパクト等の執筆を主に担当。
向門大介 (メディカル本部 信頼性保証部)
がん領域の治療アプリ事業の責任者、信頼性保証部の薬事戦略グループのグループ長を兼任。
本レポートでは、医療・民間事業に関するロジックや文言の整理、人的資本の特にDEIに関する部分を担当。
田中孝幸 (コーポレート本部 人事業務部)
人事業務部の責任者としてメンバーマネジメントを行うとともに、人事・総務領域の業務全般に関する方針策定および意思決定などを行う。本レポートでは主に人的資本に関する文言全般を担当。
黒木明日菜 (コーポレート本部 人事業務部)
人事業務部に所属し、給与・組織開発などの業務を担当。本レポートでは主に人的資本に関する部分の他、デザインの制作進行や原稿全体のトンマナを担当。
三島有紀 (事業開発推進本部 広報PR部)
広報PR部にて企業広報、採用広報など広報業務全般を担当。本レポートでは企業情報およびユーザボイスの原稿編集を中心に原稿全体のトンマナを担当する他、本記事の執筆も担当。
0から生み出す新たな挑戦とは
ー このインパクトレポートを作成することになった経緯や背景について教えてください西岡: CureAppは創業当初から、社会にポジティブなインパクトを与えることを前提に事業を展開してきました。2021年頃から、そのインパクトをどのように発揮するかを具体化するため、「ロジックモデル*1」を作成し、社内外に発信する取り組みを進めてきました。インパクトレポートの作成も、私たちの活動やその価値をより多くの人に伝えたいという想いから始まったものです。
久納: 社外からの関心の高まりや、インパクトスタートアップ協会*2への参画を通じた新たな視点を得られたこともきっかけのひとつでした。また、私たちのロジックモデルが外部で高く評価されたことも後押しとなり、この機会に社会への貢献を整理して分かりやすく伝えようと決意しました。
*1:ロジックモデルとは、事業や組織が最終的に目指す変化・効果の実現に向けた道筋を体系化し図示したもの
*2:https://impact-startup.or.jp/
ー このレポートはどんな方に読んで欲しいと思いますか?
田中: 投資家やインパクトに関心のある方々だけでなく、幅広いステークホルダーに届けたいと考えています。CureAppという会社を知ってもらい、私たちの事業やその想いに興味を持つきっかけになれば嬉しいです。また、社内メンバーにとっても会社を再認識するきっかけになると思います。
西岡:社外向けの発信が主な目的ですが、社内向けにも重要な役割があると思います。CureAppに入社する際、それぞれの動機や背景は異なるにしても、みんなこの事業に共感し、CureAppが目指す世界観に惹かれて仲間になったはずです。 私たちが目指す未来やそこに込めた想いを改めて共有し、入社時の情熱を思い出す「原点回帰」の材料にもなればと期待しています。
CureAppの真摯な挑戦と未来への一歩
ー このレポートで最も伝えたいメッセージはなんですか?
久納:私たちが一番伝えたいのは、「CureAppがどのような目標を持ち、それに向けてどのような道筋で取り組んでいる会社なのか」ということです。そのため、このレポートでは目指す方向性や具体的なアプローチをしっかり示しています。
また、もう一つ重要なのは、「CureAppは本気でそれを実現しようとしている会社だ」という姿勢を感じてもらうことです。このレポートを通じて、私たちが真摯にに取り組んでいる姿勢や、インパクトに対する本気度が伝わり、ファンになってくださる方が増えるといいなと思っています。
久納:私たちが一番伝えたいのは、「CureAppがどのような目標を持ち、それに向けてどのような道筋で取り組んでいる会社なのか」ということです。そのため、このレポートでは目指す方向性や具体的なアプローチをしっかり示しています。
また、もう一つ重要なのは、「CureAppは本気でそれを実現しようとしている会社だ」という姿勢を感じてもらうことです。このレポートを通じて、私たちが真摯にに取り組んでいる姿勢や、インパクトに対する本気度が伝わり、ファンになってくださる方が増えるといいなと思っています。
ゼロから形にする過程で見えたCureAppらしさ
ー このレポートを作成するにあたって、何もないところから議論が始まったと思うのですが、最初に話し合った内容や当時目指したものはなんでしたか?黒木:最初は他社事例をたくさん調べたり、セミナーに参加することから始めました。もともと人的資本関連の資料を作成していたので、それに近い形で進められると思っていたのですが、インパクトレポートについて理解を深めるうちに、素晴らしいなと感じるインパクトレポートには、会社の文化や特色が伝わるオリジナリティがあることに気づき、「これ本当に作れるのかな」という不安が出てきたのを覚えています。
そんな中、メンバー間で持っていた漠然としたイメージをすり合わせ、レイアウトやページあたりの文字量、写真やイラストの雰囲気など、自分たちのイメージに近いものを徐々に絞り込んでいきました。その後、自分たちが書いた原稿を何度も読み直し、社内外のフィードバックをもらいながら、目指す方向性を具体化していきました。
とはいえ、ゼロからのスタートだったので、最初から完璧なものを目指すのではなく、等身大の、背伸びしない形でベストを尽くすことを意識しました。この方向性を早い段階からチーム内で共有できたのは大きかったと思います。
向門:他社のインパクトレポートを見ながら表現やレイアウト等についてのCureAppらしい、CureAppらしくない、という軸はチーム内で共通認識としてあったのですが、その「らしさ」の基準は、やはりCureAppのValueやCharacter(Missionを実現するための理想の姿)が根本にあるのだと感じます。このレポートを通じて、その「CureAppらしさ」を感じてもらえると嬉しいですね。
等身大の挑戦が生んだ、リアルな成果
ー 最初に思い描いていたものと実際にプロジェクトを進行してみての感想はどうですか?向門:サステナビリティや人的資本に関する話題は抽象度が高く、深掘りすればするほど終わりが見えないような感覚があります。1つ1つのテーマについて、個人でじっくり向き合う時間と、チームで議論して多角的に捉える時間の両方が予想以上に必要だと感じました。また、言葉一つを紡ぎ出すことの難しさを実感しましたね。
田中:実際にプロジェクトが動き始めると、正解のないものをゼロから生み出す作業が想像以上に大変だと感じました。その中でモチベーションを保つことはもちろん重要でしたが、独りよがりにならないよう意識することも大切でした。誰に向けて発信しているのか、自分たちの活動を見てファンになってもらえるかという視点を常に持ち続けることが重要だと思いました。
向門:一方で、課題を含めた現状の組織の等身大を出すことは常に意識していました。アピールポイントばかりが並べられた表面的にきれいなレポートだけが正解ではないと思っています。たとえば、今は数字として具体的に出せないことがあったとしても、その理由や現状の課題感もきちんと伝えるべきだと考えています。その上で、社内外からの反応を取り入れながら、より良いものに進化させていきたいですね。
社内フィードバックで見えた新たな視点
ー ある程度内容が整った段階で社内フィードバックを受けましたよね、その前後で変化はありましたか?田中:実は、社内フィードバックで予想以上に多くの課題を指摘されました。しかしよく考えると、まさにある程度内容が整うまでサステナチームだけで進めていたため、指摘をもらうことで「読み手の視点」の重要性に気づくことができました。振り返ると、その時期は各メンバーがその他の業務に追われていたこともあって非常に忙しい時期ではありましたが、それでも改めて腰を据えて「誰に、何を伝えたいのか」「どう見てほしいのか」を考えるきっかけとなり、大きな転換点だったと思います。
西岡:私も同じように感じています。読み手の視点が何かを改めて考えさせられました。これは大きな反省点でもありましたね。例えば、チーム内では理解していた言葉を読み手は理解できないということがありました。このタイミングで改めて言葉の定義を整理し直しました。
久納:それまでもチームとして、それぞれが担当すべきことをきちんとこなしてはいました。しかし、振り返ってみると、どこかでお互いに遠慮していた部分があったのではないかと思います。そのターニングポイントを機に、みんなで「どうやったら乗り越えられるか」を考える中で、レポートを単に完成させるのではなく、より深い視点で再考し直すという意識が強まり、その後の議論はさらに真剣でより深いものになりました。その後、チームとしての一体感が増し、さらに踏み込んだ議論ができるようになったと感じています。
田中:確かに、原稿を再構成する段階で、思い切って文字数を削減しなければならない部分がありました。読み手の視点に立つことで、「この情報は不要だ」と自信を持って感じることができました。これも遠慮せずに取り組んだ結果だと思います。
黒木:フィードバックを受ける前は、レポートの原稿を文字ベースで作成していたので、正直読み手に届く完成形がどのようなものになるのかをきちんとイメージできていませんでした。レポートをスライドに落とし込み視覚的な要素を加えていく中で、ようやく完成形のイメージをもち、読者目線になることができたと感じています。
伝えたいメッセージを形にするための工夫
ー スライドに落とし込む段階ではどのようなことに気をつけたのでしょうか?西岡:スライドに原稿を落とし込む作業を進める中で、改めて読者の視点に立ち、抜本的な整理が必要だと感じました。これまでみんなで作り上げてきた原稿なので、リーダーとして心苦しい部分もありましたが、「いる・いらない」の取捨選択はかなり大胆に行いました。
黒木:その意味では、最初の段階では項目ごとに担当者が執筆し、責任を持って取り組んでいましたが、この段階ではチーム全員がすべての内容を何度も繰り返し読み校閲を行っていたので、どこが誰の成果物というよりは「皆で創り上げている」という認識が強く、結果的に遠慮なく取捨選択したことも気にならなかったんじゃないかなと思います。
チームの成長と共に感じた達成感
ー 初のインパクトレポート、約1年間かけての完成に達成感は感じますか?西岡:達成感は感じますね。レポートの完成自体よりも、このチームの成長に対して達成感を感じています。もともとこのチームは、サステナビリティを推進するために各部署から集められたメンバーですから、サステナ関連の知識やインパクトに対する理解度も最初はバラバラでした。それでも、このレポートを完成させる過程で知識がどんどん深まり、今では全員で議論できるようになりました。チームとして大きく成長できたことが最も大きな収穫だと感じています。また、デザイン部が作成した原稿内のデザインが上がってきた時には、「ようやく仕上がった」という実感が湧きましたね。
黒木:気になった部分や小さな違和感について、もしかしたらそのまま進めることもできたかもしれませんが、後で「やっぱりやっておけば良かった」となるのは避けたかったんです。何よりこのチームであれば、たとえそれが間違っていたり、ズレていたりしても、率直に議論できる心理的安全性がありました。皆が熱い想いを持って作り上げているという感覚があり、安心してCureAppらしいレポート作成を進めることができました。
挑戦が形になる瞬間
ー サステナチーム一丸となって作った初のインパクトレポート、読者にはどのように受け取ってもらいたいですか?向門:まずは、読んでいただけるだけで嬉しいですね。それに加えて、読者が関心を示してくれ、良し悪しに関わらずその反応が得られるならさらに嬉しいと思います。
黒木:自分たちが未熟だとも理解しているので、まずは手にとって読んでいただけるだけでと思いつつ、どんな思いを抱いてくださるのかといった反応も楽しみですね。
田中:読者の反応が私たちの次のステップへのモチベーションになりますね。
西岡:私も同じ考えです。関心を持ってもらえたこと自体が嬉しいですし、その先に読者の反応が続くことで、さらに良いレポートへと進化させていけると感じています。
久納:私たちが目指してきたことを理解してもらえたら一番嬉しいですね。その理解を得て、読者が自分たちの活動に共感し、共に進んでいく感覚を持ってもらえれば、レポートとしての価値がさらに高まると思います。
自覚と誇りを込めて、共に進む道を示す
ー 今後もレポートを通じて発信していきたいメッセージがあれば教えてください西岡:「全ての人が安心していつでも良質な医療を享受できる社会」の実現。このパーパスを体現するために、事業をどんなプロセスで進めているのかを、ぜひこのレポートで知っていただけたら嬉しいです。
田中:社外のステークホルダーだけでなく、レポートを通じて社内のメンバーにも、インパクトを世に出していく自覚と誇りを感じてもらえたらと思っています。
久納:少しずつ自分たちが歩んできた過程を振り返りながら、「こんなに遠くまで来ていたんだね」と感じられるような形にできたらいいなと思います。その時々においては、等身大の取り組みでも、きっと成長や結果につながる軌跡を伝えることができるはずです。そうなれば嬉しいですね。
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今回、CureApp初のインパクトレポートが公開された背景には、約1年にわたるサステナチームの粘り強い努力と創意工夫がありました。異なる立場や専門業務を持つメンバーが集まったこのチームでは、良いものを作りたいという熱い想いがあったからこそ、時に焦りが生じたり、お互いの気持ちを汲み取れない場面やゴールイメージの齟齬が生まれることもありました。
それでも、何もない状態からスタートし、試行錯誤を重ねた末に完成したこのレポートは、単なる成果物にとどまらず、CureAppが目指す「インパクト」の本質を具現化したものとなりました。
このプロジェクトを通じて、チームの結束力は一層深まり、日々の業務を超えた挑戦の中で、各メンバーが得た成長や学びも大きな財産となりました。このレポートを通して、CureAppの想いと挑戦が多くのステークホルダーの皆様に届き、新たな可能性を切り拓く第一歩となることを願っています。「ソフトウェアで『治療』を再創造する」という使命を胸に、これからもさらなる挑戦を続けていきます。
それでも、何もない状態からスタートし、試行錯誤を重ねた末に完成したこのレポートは、単なる成果物にとどまらず、CureAppが目指す「インパクト」の本質を具現化したものとなりました。
このプロジェクトを通じて、チームの結束力は一層深まり、日々の業務を超えた挑戦の中で、各メンバーが得た成長や学びも大きな財産となりました。このレポートを通して、CureAppの想いと挑戦が多くのステークホルダーの皆様に届き、新たな可能性を切り拓く第一歩となることを願っています。「ソフトウェアで『治療』を再創造する」という使命を胸に、これからもさらなる挑戦を続けていきます。