治療アプリで新たに2製品が製造販売承認 ~減酒、小児ADHDもアプリで治療する時代へ~
医師が処方する「治療アプリ」は、医薬品やハードウェア医療機器による従来の治療とは異なる「行動変容」に力点を置いたものです。医薬品や医療機器に続く第三の治療として注目され、米国をはじめ、海外では既に浸透しつつあります。日本では、2020年に当社のニコチン依存症治療アプリが日本で初めて薬事承認、保険適用されました。続く2022年には同じく当社の高血圧治療補助アプリが薬事承認、保険適用され、現在はこの2つが販売されています。
2023年には、サスメド株式会社による不眠障害用アプリが薬事承認され、また、塩野義製薬株式会社の小児ADHD治療補助アプリ、当社の減酒治療補助アプリが2025年2月13日付で厚生労働省より製造販売承認(薬事承認)を取得しました。
デジタルセラピューティクス(DTx)は、医薬品や医療機器に続く「第三の治療法」として注目されており、世界中で研究開発が進められています。また、その市場規模は拡大傾向にあり、2024年から2032年にかけて世界市場において大きく成長することが見込まれています*¹。各企業が独自の技術やノウハウを活かして開発する治療アプリは、それぞれの疾患に対する治療の選択肢を大きく広げることが期待され、これまで治療を諦めていた患者さんや、既存の治療法では十分な効果が得られなかった患者さんにとって新たな希望となる社会へと進んでいます。
加速する国内のDTx市場において、当社は先駆者として牽引し、これからもテクノロジーの力で治療を進化させ、医療を取り巻く社会的課題の解決を目指します。
【治療アプリについて】
スマートフォンなどの汎用デバイスで用いるアプリのうち、治療を目的とした医療機器として厚生労働省の承認等を受けたものを「治療アプリ(デジタル セラピューティクス、DTx)」といいます。治療アプリは、医師が治療のために処方し、患者さんが利用するソフトウェアの医療機器(プログラム医療機器)です。参考:2025年加速する治療アプリ開発と社会実装https://cureapp.blogspot.com/2025/01/2025.html
【薬事承認を取得している治療アプリ】
【減酒治療補助アプリについて】
本治療アプリは、減酒が目標となりうる患者さんを対象に、心理社会的治療を補助します。患者さんは日々の飲酒量や体調を「患者アプリ」に入力します。その情報を基に、アプリが疾患に関する情報提供や、個別化された目標の提案を行い、減酒に向けた行動変容を促します。医師は「医師アプリ」で患者さんごとのデータや心理社会的治療の支援コンテンツを確認することができます。患者さんはアプリを使用することにより診察外の時間においても疾患に関する学習に取り組んだり、飲酒量を減らす行動を効果的に実践することが可能となります。医師は限られた診察時間の中で患者さんの日々の飲酒状況、必要な支援を確認することができるため、診療の質の向上が期待できます。
従来の専門医療機関に加えて、非専門医療機関(アルコール依存症専門以外の精神科や一般内科など)においても本治療アプリを処方いただけるようにすることで、アルコールとの付き合い方に悩む多くの患者さんの受診を促し、患者さんの気持ちに寄り添った治療の提供を補助することを目指して参ります。
【開発医師】
宋 龍平
株式会社CureApp / 岡山県精神科医療センター 医師東京医科歯科大学 精神行動医科学 非常勤講師
京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻 健康増進・行動学分野 研究協力員
長年、アルコール依存症に精神科医として向き合う中で、早期治療普及の重要性を痛感し、CureAppで減酒治療アプリプロジェクトを立ち上げた。最前線の診療現場に立ちながら、研究にも精力的に取り組み、日本アルコール・アディクション医学会を始め、複数の学会で受賞歴がある。
研究実績はこちら https://researchmap.jp/rso
長年、アルコール依存症に精神科医として向き合う中で、早期治療普及の重要性を痛感し、CureAppで減酒治療アプリプロジェクトを立ち上げた。最前線の診療現場に立ちながら、研究にも精力的に取り組み、日本アルコール・アディクション医学会を始め、複数の学会で受賞歴がある。
研究実績はこちら https://researchmap.jp/rso
【その他国内の治療アプリの開発状況】*⁷
*¹Digital Therapeutics MARKET ESTIMATES&TREND ANALYSIS FROM 2016 TO 2028、Grand View Research
*² https://susmed.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/426320230215001.pdf
*³ https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2025/02/20250218.html
*⁴ https://cureapp.blogspot.com/2025/02/blog-post_18.html
*⁵ https://cureapp.co.jp/productsite/ht/media/lp/
*⁶https://sc.cureapp.com/p/?__hstc=139051116.9af591d5111ed40f53814bb16c70ccaf.1704765633960.1739840031903.1739950261170.215&__hssc=139051116.13.1739950261170&__hsfp=3950984941&_gl=1*1nqat4y*_gcl_au*OTkwMjkwMDQxLjE3MzYxNDEzMzg.*_ga*MTk3OTYwMzk0MS4xNzA0NzY1NjMz*_ga_YWJQWDQMMB*MTczOTk1MDI2MC4yNzAuMS4xNzM5OTUyMjM4LjQ3LjAuMA
*⁷「野田侑子 佐竹晃太 精神科臨床における治療アプリの可能性 臨床精神医学(2024) 53 1385-1390」より論文投稿時点の情報を基に作成。